のーさん(@nosan1031)です。
平成28年から実務者研修の講師をしています!
今回は【介護福祉士実務者研修】についてお話をします。
この記事は
通信課題は自分のペースで出来るけどスクーリング(通学)が心配…
というスクーリングに不安を持っている
受講を検討している方や受講中の方
に読んで頂きたい内容となっています!
介護福祉士実務者研修とは?
平成28年度から「介護福祉士国家試験」の受験資格(要件)が変わり、
実務経験3年以上に加え「実務者研修」の修了が必須となりました。
介護分野で唯一の国家資格である
『介護福祉士』を取得するために、
実務者研修が義務付けられたのです。
そして、実務者研修では「より質の高い介護サービスを提供するため」に実践的な知識と技術の習得を目的としています。
実務者研修の内容とは?
実務者研修は「通信+通学(スクーリング)」形式の受講スタイルがほとんどです。
無資格者の場合で合計450時間以上、期間にすると6カ月以上の受講が必要です。
カリキュラムのほとんどは通信で学ぶことが可能ですが、通学が必須となっている科目もあります。
その科目を通学(スクーリング)で行うのです。
実務者研修のスクーリングはどんなことをするの?
実務者研修の通学にかかる時間
無資格者が受講する実務者研修の講座時間450時間以上のうち、400時間以上は通信講座で学ぶことができますが、以下の2科目がスクーリングで行われます。
①介護過程Ⅲ・・・45時間
②医療的ケアⅠ・・・12時間
日数にして6日~8日で設定しているスクールが多いようです。
・スクールにより時間数が異なる
・保有資格により一部免除される科目がある
スクーリングの内容は?
スクーリングでは介護過程と医療的ケアを行います。
介護過程Ⅲの内容
具体的な事例をもとに、アセスメント→介護計画の作成→介護の実践→評価を行います。
- 与えられた事例からアセスメントを行う
- アセスメントで得られた情報から、グループで課題や問題点について話し合う
- 介護計画を立案し、具体的な介助方法を考えてグループごとに実践・発表する
- 利用者の希望や状況に応じて介護を展開できるかどうか、学習到達の確認と評価を行う
講義(座学) → 演習(個人orグループワーク) → 実演(実技)
を繰り返して行うスタイルが一般的です。
まぁ…ちゃんと授業を受けていれば大丈夫だと思います。
私は2つの事例をメインで使用しています。
そして、多くの事例で共通して展開されるのは
ズバリ!!以上の3つです。
他には『食事』や『入浴』等もありますが、実演が難しいという理由でほとんど行いません(笑)
そして、最後に実技テストを行い修了評価を受けます。
実技テストはカリキュラム上で必須ではないのですが、
介護福祉士国家試験の実技試験が免除になる
という側面から実技テストを行うスクールが多いようです。
実技テストは授業で実際に行った事から出題されるので、国家試験の実技試験に比べたら
へのへのかっぱです。
今回は実技テストの採点ポイントについて
コッソリ公開します!
上記を含めた複数項目で総体的に評価しています。
なんだか難しそうな感じもしますが、
授業中に講師がポイントを説明しているはずですので
ちゃんと話を聞きましょう(笑)
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医療的ケアⅠの内容
- 口腔内の喀痰吸引…5回以上
- 鼻腔内の喀痰吸引…5回以上
- 気管カニューレ内部の喀痰吸引…5回以上
- 胃ろうまたは腸ろうの経管栄養…5回以上
- 経鼻経管栄養…5回以上
- 救急蘇生法…1回以上
医療的ケアの演習回数は、厚生労働省の研修規定により定められています。
それぞれの医療的ケアの手順については、シュミレーター(人形)を使って、
実際の利用者に実施するように声掛けを行いながら練習します。
演習の最後に実技試験を受け、合格すると修了です。
医療的ケアは手順の繰り返しで覚えるしかないです。
実務者研修修了の難易度は?
研修自体の難易度は、全般的に初任者研修よりは高いです。
しかし、修了の難易度は決して高くはありません。
むしろ、ちゃんと出席していればほぼ100%でしょう。
とある出版社の〈指導の手引き〉では
評価方法についての例(合格基準)が記されています。
その内容は
介護計画書(記録) | 25点 |
実技試験(生活支援技術) | 50点 |
その他(出席率・授業態度・提出物など) | 25点 |
合計 | 100点満点 |
となっています。
大概の受講生は実技試験が不安なようですが、
不合格の場合でも必要に応じて再指導を行い、同一課題で再評価を行います。
過去に未修了だった方は、自己都合による途中離脱のケースのみです。
講師をしていて思う事【本音】
正直なところ、45時間で講義・演習・ロールプレイを行うのは意外と大変なんです…💦
なぜなら
受講生のレベル(経験や職種)が違うから。
講師としては、どこに基準を合わせて研修を進めていくかで頭を悩ませます。。。
結果として、どこかでシワ寄せが生じてしまう事もあるのです。
そこを上手くこなしていく為、臨機応変な対応ができるように勉強して(させられて?)います。
ただ講義をして知識の押し売りをするのは簡単ですが、
受講生に「気付き」を促すのが講師の役目だと思っています。
まとめ
令和3年度からLIFE(科学的情報システム)が始まり、国も介護業界に科学的根拠を求めています。
実務者研修で行う『介護過程』は、
まさに根拠(エビデンス)
を裏付けるための思考です。
また、『医療的ケア』の知識や技術も、これからは介護福祉士にとって標準装備となっていく事でしょう。
「介護福祉士(国家試験)を受けるために仕方なく受講する」
という方も実際多いのですが、せっかく時間と費用を使うのですから
『自己投資』だと思って、楽しく研修を受講して欲しいと願っています。
※スクールによって指導方法や内容が異なる場合があります。
あくまで一例として参考にしていただければ幸いです。
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