【熱中症予防にも!】なぜ日本の夏は麦茶なのか?水分補給に麦茶を勧める理由

介護コラム
のーさん
のーさん

こんにちは!

のーさん(@nosan1031)です。

暑い日が多くなってきましたね💦

熱中症や脱水症が心配されるこの時期ですが

水分補給には何を飲んだら良いのでしょう?

真っ先に思いつくのは、スポーツドリンク

またはOS1に代表される経口補水液だと思います。

しかし、スポーツドリンクには糖分が多く含まれていたり

水だとチョット味気ない・・・

経口補水液はどちらかというと熱中症対策として有効な飲み物だけど

予防には向いていない・・・

そして、介護の仕事をしていて高齢者が水分を摂らない理由NO1は

トイレが近くなるから

そんな高齢者にも安心して薦められる飲み物が麦茶なのです。

そこで、日本の夏の定番「麦茶」について調べてみました。

なぜ、日本の夏は麦茶なのか?

麦茶は俳句や短歌では「夏の季語」として読まれ、夏の風物詩ともいえる飲み物です。

では、なぜ日本の夏は麦茶なのでしょう?

一番の理由は、意外なことに「旬だから」なのです。

麦茶の原料である「六条大麦」の収穫時期が初夏であるため

採れたての大麦の実で作るのが一番美味しいとされたようです。

夏場は身体の新陳代謝が活発になり水分を多く摂ります。

保存料、甘味料、カフェイン等が含まれていない麦茶は

安心して飲める自然飲料として多くに人に親しまれてきました。

江戸時代には、庶民のあいだでも夏の飲み物として定着したと言われています。

麦茶の効能

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美肌効果や健康に期待できる

麦茶の原料である大麦の別名は「食物繊維の王様

便秘の改善やデトックスなど、美容効果のある飲み物として注目されています。

また、活性酸素を除去する抗酸化作用があり

健康面でも期待されているのです。

最近の研究では

「ガン」「脳卒中」「心筋梗塞」「糖尿病」

の予防効果のほか

「むくみの改善」「膀胱炎の予防」「虫歯や歯周病の予防」「ストレスや不眠の解消」

などの効果が期待できると報告されているそうです。

体を冷やしてくれる

麦茶の原料である大麦には体を冷やす働きがあり

熱中症対策に効果があります。

麦茶には多くのカリウムが含まれており

利尿作用により尿と一緒に熱を体の外へ放出して体温を下げてくれます。

とはいえ、カフェインのような強い利尿作用ではないので

体が水分不足になることはありません。

強い利尿作用ではないことが、高齢者にも安心して薦められる理由です。

汗を大量にかく夏でも安心して飲むことができますね。

脱水症状対策になる

夏は大量に汗をかくので、水分と共にミネラル不足になります。

そうなると気を付けなくてはいけないのが脱水症状

麦茶には豊富なミネラル(ナトリウム、カリウム)が含まれています。

体から流れ出た水分やミネラルを補うことができ

脱水症状対策に効果的です。

胃腸を保護する

暑い夏は何かと冷たい食べ物や飲み物を摂取しがちです。

しかし、暑いからと言って冷たいものばかり口にしていると、胃腸が弱ってしまいます。

麦茶には胃腸を保護する効果があるとされており、弱った胃腸を整えるのに効果的です。

ある実験では、胃の粘膜を傷つけたマウスに麦茶を投与すると、傷が緩和したという結果が出ています。

そして、麦茶の抽出物には胃の粘膜を保護する優れた機能性があることがわかりました。

麦茶を愛飲してきた私たち祖先の知恵には、科学的な根拠があったと言えるでしょう。

血圧を下げてくれる

麦茶には「アルキルピラジン」という成分が含まれているのですが

麦茶の香ばしい匂いはこの成分が元になっています。

そしてアルキルピラジンは、血液の流れをよくする働きがあることが研究の結果明らかになっています。

アルキルピラジンが、血液の流動性を悪くさせるカルシウムイオンの流入を抑制する作用があるからです。

ほかにも、麦茶に含まれるギャバ(GABA)という成分は

(1)腎臓の働きをよくする

(2)高血圧の原因になるナトリウムを排出する作用がある

(3)動脈硬化を引き起こす中性脂肪やコレステロールを下げる働きがある

などの効果があり、血液をサラサラにしたい人にとって

麦茶は最適な「健康飲料」といえるでしょう。

近年、麦茶が血液について高い効果があることは、さまざまな研究機関によって報告されています。

麦茶の栄養素

麦茶には、汗をかいた時に不足するナトリウムやカリウムといったミネラルが含まれています。

骨や歯の構成成分となるカルシウムとリン、皮膚や粘膜の健康維持を補助する亜鉛といったミネラルも含まれています。

また、麦茶の原料である大麦は食物繊維が豊富で鉄分に富み、

「カフェイン」や「タンニン」を含まないので眠れなくなることもありません。

栄養価の高い麦からできた麦茶は、夏に限らず一年中飲みたいですね。

【参考】麦茶100gあたりの栄養成分
水分99.7g
炭水化物0.3g
ナトリウム1mg
カリウム6mg
カルシウム2mg
リン1mg
亜鉛0.1mg
カロリー1kcal
糖質0.3g

ペットボトル1本分500mlの麦茶を飲んだとしても、カロリーはたった5kcalで糖質は1.5gです。

麦茶の原料となる大麦にはグルテンも含まれていないため、食生活に気を配っている方も安心して飲めます。

グラフからもわかる通り、麦茶はノンカフェイン飲料の代表です。

そのため、赤ちゃんも飲むことができます。

カフェイン量の比較

参考文献:「北海道立消費生活センター お茶のカフェインはどれくらい?」

麦茶の歴史

広重のオマージュ描き麦茶飲む|山田幸子フリーアナウンサー|note

麦茶の原料となる大麦が日本に伝播したのはいつ頃?

大麦と人類のかかわりは大変古く、今からおよそ1万3千年前にイラン・イラク・チグリスユーフラテス・インダス川流域の古代文明発祥地で栽培されていたことが知られています。

日本には縄文期の末期、今から約2500年ほど前に栽培植物として伝播し、広く全国に広がったと考えられています。

日本で大麦が麦茶として飲まれるようになったのはいつ頃から?

わが国では、早くから大麦を炒って飲料にする習慣がありました。

緑茶が普及する遥か以前から、戦国の武将たちも好んで愛飲していたと伝えられています。

江戸時代末期になると、麦茶は町人衆の気軽な飲み物として

今でいう喫茶店のような「麦湯店」なるものが出て、大いに繁盛したようです。

人々は縁台に座って麦茶を楽しみ、話に花を咲かせたことでしょう。

明治になってからも、上野・浅草・両国などの下町では夕方から夜中まで「むぎゆ」と書いた行燈が通りに立ち並び、庶民の憩いの場となっていました。

以来、親から子へ、子から孫へと親しまれ、私たちの暮らしの中にしっかりと定着しました。

麦茶には、どんな種類のものがあるの?

麦茶の原料は、国産の小粒大麦、大粒大麦、はだか麦です。

最近では外国産(オーストラリア・カナダ)の大麦も使用しております。

なお、商品としては丸粒麦茶(いわゆる棒麦茶)ティーバックの麦茶があり

手間のかからないお手軽タイプのティーバックが圧倒的に多くなっています。

ティーバック形式の麦茶は、煮だすタイプと冷水に直接入れるタイプに分かれます。

さらに、好きな時に飲める紙パックや缶入りの麦茶もあり、麦茶の形態もバラエティーに富んできました。

スーバーなどではさまざまな種類の麦茶が売られていますが、その違いは原料にあります。

まず押さえておきたいのが「○条」の意味。

「○条」は大麦の穂の列を表しています。

六条麦茶:六条麦
六条麦は最もポピュラーな麦茶の原料。水に溶け出すデンプン量が少なく、痛みにくく味わいも豊かです。

二条麦茶:二条麦
二条麦はビールや焼酎などお酒の原料として使用されます。六条麦よりデンプン質が多くタンパク質が少ないため、麦茶特有の香りと苦味も薄く飲みやすさを感じる方も多いようです。

はと麦茶:ハトムギ
ハトムギは大麦と同じイネ科の穀物ですが、大麦や小麦といった麦類よりもトウモロコシと近縁だといわれています。

中国では古くからイボ取りの漢方薬として利用されており、化粧水の原料としても使用されるなど肌の悩みを改善する効果が高いと期待されています。

胡麻麦茶:大麦・はと麦・黒胡麻・胡麻ペプチド
飲料メーカーが販売しているブレンド茶です。

何気なく飲んでいた麦茶にも、様々な種類や風味があることを知ると麦茶選びも楽しくなりますね。

市販されている麦茶は原料がブレンドされていたり、

製品の安定のために添加物が加えられている商品もありますので、購入時には成分表を確認してみて下さい。

麦茶の飲みすぎは健康に悪い?

麦茶を飲むことにデメリットはある?

こまめな水分補給として麦茶を飲むことに、デメリットはありません

水と同様に一気に大量に飲みすぎたりすると、むくみの原因となります。

また、夏場に注意したいのがキンキンに冷やした麦茶を飲むことです。

麦茶の原料である大麦には、身体を冷やす効果があります。

そのため氷を入れた冷たい麦茶をたくさん飲むと、身体が芯から冷えきってしまうのです。

暑い日の外出などキンキンに冷えた麦茶が飲みたいときは、

ガブガブ飲むのではなく少量にとどめましょう。

小麦アレルギーでも麦茶は飲める?

大麦にはグルテンが含まれていないため、小麦アレルギーでも麦茶を飲める人は多いと言われています。

しかし、重度のアレルギーや今まで一度も麦茶を飲んだことがない場合は

必ず医師に相談をしてから飲むようにしましょう。

麦茶作りのポイント

ペットボトル飲料としても様々な麦茶が販売されていますが、毎日飲むとなると家で作る方が経済的。

手軽に作れる麦茶ですが、風味の好みや飲む場面によって一工夫することで

我が家オリジナル」の麦茶にすることもできるのです。

また、麦茶の有効成分を効果的にとるには、丸粒麦茶かティーバッグ麦茶を

5分以上ヤカンなどで煮出したものが良いようです。

水出し麦茶と煮出し麦茶の違い

水出しと煮出しでは、栄養素に大きな違いは出ません。

しかし、香り成分「アルキルピラジン」は、煮出しの方が活性化します。

コクのある麦茶がお好みであれば、煮出しがおすすめです。

しかし、日持ちは水出しの方が優れています。

煮出す際は、氷水や流水で急激に冷やし、菌の繁殖を防ぐことが重要です。

どちらの方法で作るにせよ、冷蔵庫保存で早めに飲み切りましょう

スポーツドリンクがわりに「麦茶+砂糖」

運動後や疲れたときにおすすめできるのが、「砂糖麦茶」です。

汗で失ったミネラルと、エネルギーに変わる糖分を同時に補給できる飲料になります。

麦茶1Lあたり大さじ1杯の砂糖が目安となります。

熱中症対策に「麦茶+塩」

昨今の猛暑では、水分だけ補給しても塩分が不足してしまう可能性があります。

そんな季節には、麦茶1Lあたり1~2gの塩を加えた「塩麦茶」もおすすめです。

塩味が気になる方は、少し砂糖を足して味を調節してみましょう。

塩分も糖分も摂りすぎには注意が必要ですが、炎天下で活動する際にはおすすめです。

麦茶と塩分の組み合わせは、東京都も推奨する熱中症対策の一つです。

「高齢者のための熱中症豆知識」

試してみたい麦茶

人の家の麦茶のイラスト | フリーイラスト素材 ガガフリー

最近ではフルーツ麦茶など様々な商品が販売されています。

お気に入りを見つけて、楽しみながら水分補給をしたいですね!

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